佐藤琢磨選手のIndyCarルーキーとしての活躍をロジャー・安川氏がご報告します!

2010.06.02(水)

皆さん、ご無沙汰しております。IZOD IndyCarシリーズの中でも4月は本当に忙しく、あっという間に過ぎてしまいました。まず最初にアラバマ州にあるバーバー・モータースポーツ・パークで初開催となったインディ・カー・レースに行き、その翌週は地元で行なわれたロング・ビーチ・グランプリ、そして先週末は今シーズン初めてのオーバル・レースがカンザスで行なわれましたね。1ヶ月に3レースもあると、チームやドライバーも大忙しですが、とくにロードや市街地コースのレースからオーバルのレースに変わる時は、マシンのセッティング変更等で大変です。

僕は今シーズンは、佐藤琢磨選手の活躍のご紹介と彼のサポートに焦点を宛てています。その佐藤琢磨選手ですが、ベテランF1ドライバーと言うものの、今年はインディカー初年度で、ルーキーとしてオーバルコースについてなど、学ぶべきことは多くあります。オーバルのレースでは、ロードコースと異なったクルマや空力面での理解が必要となるので、ここで充実した経験を積むことは今後大きなプラスとなるはずです。

とは言う物の、琢磨選手の学習能力の早さには驚きを感じます。若干19歳の時にレースの世界に入り、僅か6年の間にF1まで上り詰めた実績が、その象徴でもあると言えるでしょう。琢磨選手と初のオーバル・レースが終わった後に話をしたところ、やはりオーバル・レースは今までやってきたレースとは全く別物で、ある意味オーバル・レースを尊敬し直したと言っていました。オーバル・レースに参戦をした事の無いほとんどの人は、「ただ単にずっと左に曲がって、アクセル全開のレースだろう?」って思われがちです。しかし実際の所は、215マイルを超える速度で他のマシンとサイド・バイ・サイドで走り、前方を走るマシンから引き起こされるタービュランスによって、自分のマシンの動きが物凄く不安定になる事もあるのです。マシンのセッティングバランスが悪い時は、ゴールまで辿り着く時が精一杯の時もあります。

そんな中、琢磨選手にとってオーバルでの初レースとなったカンザスでは素晴らしい走りを披露していました。最後にはクラッシュを喫してしまい、6位でゴール目前だっただけに、残念な結果に終わってしまいました。残り15ラップのリスタート時に、同じ日本出身である武藤英紀選手と接触してしまい、リタイヤとなってしまいましたが、琢磨選手にとっては大きな経験を得る事ができるレースに繋がったと思います。スピードとドライビング・テクニックには全く問題はないだけに、レースの数をこなし経験を得て、オーバル・レースで冷静に戦っていける様になれば、近い将来ヴィクトリー・レーンに登場する事は間違いないでしょう!

今月末にはいよいよインディ500のレースがありますが、琢磨選手がレースに出走する為には、まず来週末に行なわれるルーキー・オリエンテーションを通過しなくてはいけません。カンザスで走った姿を見る限りでは、全く問題は無いでしょう。琢磨選手自身もインディ500にはまた新たなチャレンジがあると認識していますが、予選を通過してレースに出走すれば、既に輝く彼のレーシング・キャリアに、もう一つの世界3台レースの名前が刻まれる事でしょう。琢磨選手も“インディのコースはカンザスと全く異なるので、まだまだ覚える事も沢山ありますが、全力で挑みます!”とレース後に言っていました。インディ500では、ぜひ良い結果を残してもらえる様に頑張ってもらいましょう!!